Netflixで配信中の注目のサスペンス
― 嘘と真実、そして「信じるとは何か」を問う心理戦 ―
目次
『ある閉ざされた山荘の中で』をオススメする3つの理由
- 閉鎖空間で繰り広げられる、王道かつ斬新なミステリー展開
- 登場人物それぞれの“嘘”が暴かれていくサスペンス性
- 最後の一秒まで予測できない、どんでん返しの嵐！
演技か、殺意か――虚構と現実が交差する、東野圭吾の“心理密室劇”
雪に閉ざされた山荘という設定のハウスに集められた8人の若者たちの目的は、まず、次の舞台の主演を決めるためのオーディションを受けることでした。
ところが、そのオーディションの最中に、今度は“現実”の殺人が起きてしまいます。
一方で、本当に殺害されたのか、それともオーディションの選考中の演技だったのか、疑心暗鬼の空気が山荘を支配し、真実の輪郭が見失われていきます。
その結果、誰がグルでオーディションの台詞として発せられた言葉なのか、演技なのか、それとも本音なのかが分からなくなります。
証言と行動の矛盾、そして張り巡らされた心理的トリックに、間違いなく釘付けになることでしょう。
本作は、東野圭吾が仕掛ける“究極の密室劇”です。
さらに、密室という物理的な制約に加え、舞台劇という“虚構”のルールが加わることで、観る者は常に現実と演技の境界を試されることになります。
登場人物の心の動きを丹念に表現し、緻密に組み上げられた構成は、まさに東野圭吾らしい手腕を感じさせます。
その上で、伏線は巧妙に張り巡らされ、クライマックスでは観る者の予想を鮮やかに裏切る展開が待っています。
「密室もの」「演劇的ミステリー」「心理戦」――これらの要素に惹かれる方であれば、間違いなく満足させてくれることでしょう。
そして、最後のシーンにたどり着いたとき、きっともう一度最初から観たくなるはずです。
信じる心と疑う目、その狭間で揺れる登場人物たち
登場人物は8人。しかし、その誰もが何かを隠しているのです。
一見、親切そうな人物、穏やかに微笑む人物、その振る舞いの裏に、ふとした“引っかかり”があるのに気づいたとき、すでにこの物語の迷宮に足を踏み入れていることでしょう。
物語が進むにつれ、募るのは“何も信じられない”という恐怖です。
言葉は嘘かもしれない、行動には裏があるかもしれません。
そのうえ、閉ざされた空間で交わされる会話、すれ違う視線、ちょっとした沈黙――そのすべてに、事件の鍵が潜んでいるかもしれないのです。
この物語は、ただのトリックだけでは終わりません。
人間の心理の揺らぎや、他者への不信、そしてそれに付け入る“演技”の巧妙さまで描き出す、まさに心理ミステリーの極致といえる作品です。
登場人物の言葉ひとつひとつに深く注意を払わずにはいられなくなることでしょう。
“信じたい”という気持ちと、“信じてはいけない”という警鐘のはざまで、
あなたは最後まで冷静でいられるのでしょうか？
予測不能の結末が待つ、極上の心理ゲーム
この物語は、単なる推理ゲームではありません。
まず、誰が犯人かを突き止めるだけの物語だと思って観ていると、その期待は見事に裏切られます。
そして、真相にたどり着いたとき、思わず息を呑むことでしょう。
“信じていたものが、全部ひっくり返された”――そんな感情が静かに、しかし確実に胸に残ります。
嘘と演技が巧みに絡み合い、その中に、時折垣間見える“本音”が物語にさらなる深みを与えます。
たとえば、誰かの一言、何気ない行動、ふとした視線――そのすべてが伏線となり、やがて一つの真実へとつながっていくのです。
そして、迎えるラスト。
そこで、明かされる“本当の真相”は、単なるトリック以上に、感情に訴えかける力を持っています。
きっとあなたも、もう一度最初からこの物語を辿りたくなるはずです。
最後に、決して気が抜けない一瞬まで続く緊張感。
東野圭吾が描く、極上の“どんでん返し”を、ぜひその目で確かめてほしいと思います。
総合評価：★★★☆☆（3.5 / 5.0）
閉鎖された空間、限られた登場人物、繰り返される心理戦。
このように、『ある閉ざされた山荘の中で』は、密室ミステリーの面白さを最大限に活かしながら、
人間の“信頼”や“恐怖”というテーマを深く描いた作品です。
もし、「最近、ちょっと刺激が足りない」「人の心の奥に潜む“闇”を覗いてみたい」と思っているのであれば、まさにこの作品こそ、あなたに観てほしい一本です。
静かな狂気に包まれたその内容は、観終わった後、間違いなく誰かと語りたくなることでしょう。